鍵がついた日記の

（幽霊船内で書かれた日記。）

ここは、暗くて何もかもが手探りで
掴んだモノが、本当に掴めているのかすらわからない。

今まで”盗んだ”と思っていたものも、
全てが嘘であったのかもしれない。という錯覚すら覚える。

だけれど、それが噂の幽霊船のマジックなのか。
そう思ったら、私だって手品をみんなにみせてきた。
これは戦うしかない。とも思う。

怖いけど、勝てたら何かがかわりそうな気がする。

私はずっと、私らしくいないといけないなあ。


誰か心配してるかもしれない。ボトルメールを誰が拾ったのだろう。
心配してくれてる人がいるかもしれないと、
頭の中でよぎった顔はやっぱり虚像なんかじゃなくて
心の中で、ちゃんと残ってる証拠かもしれない。

早くかえって、心配かけてごめんね。って、
そんでまた、「素敵なモノ」を盗みにいかないと。

私の世界だもの。
私の世界を壊されてたまるものか。
ぜったいに、そこだけは。そこだけは。

譲れないから。
がんばる。がんばる。